この英語の素顔
次の語、日本での顔と英語圏での顔が、ちょっと違うようです。 英語ではどのような意味でつかわれているのでしょう。
◇ jinx 「おまじない?」
◇ complex 「劣等感?」
正解は下をご覧ください。
◇ jinx = 「おまじない」 ではありません。
日本では 「ジンクス」 と言うと、「縁起をかつぐ」 「因縁づける」といった意味で、
良いことが起こるようにも使いますね。
例えば、「人という字を手の平に書いて飲み込むまねをすると、人前で緊張しない」
「佐川急便トラックの飛脚のお尻に触ると、幸せになれる」
(私はやってみたことありませんが・・・) などです。
けれども、英語本来の 「ジンクス」 は、「不運をもたらすもの」 という悪い意味に
しか使われません。
例えば、「黒猫が目の前を横切ると、悪いことが起こる」 といったものです。
夫は、飲んで自転車でフラフラ帰る途中、目の前を横切った黒猫をよけようとして、
本当にこけて、怪我してしまったことがあります。 (^_^;)
◇ complex = 「劣等感」 ではありません。
私は鼻が低いのがコンプレックスなの、とか、僕は背が低いのがコンプレックスだ、
などと言いますよね。
英語の complex には、「複合の」 「複雑な」 という形容詞、「複合体」 「合成物」
という名詞、のように色々な意味があります。
「団地」 のことを、housing [apartment] complex と言うなど、日本人が
慣れている 「コンプレックス」 のニュアンスとは、だいぶ違いますね。
「コンプレックス」 には、「感情複合体」 「強迫観念」 という意味もあります。
「抑圧された無意識の強い感情」 という概念が、日本人がよく使う、「劣等感」 を
表す 「コンプレックス」 に結びついているのですね。
「劣等感」 は、inferiority complex (劣っているという観念)、
「優越感」 は、superiority complex (優れているという観念) です。
「優越感」 を表すにも complex を使うなんて、日本人にはちょっとびっくりですね。
マザコンの男性は、英語では Mama's boy、Mother's boy と呼ばれることの方が
多いです。
けれども日本と違って、いい年をした男性が、お母さんを抱きしめたりキスしたり
しても、むしろ微笑ましいことで、怪しい人と思われたりはしません・・・