アメリカの出産事情
日本とアメリカでは、出産事情がかなり違います。
日本では、出産の時の入院期間は、普通分娩で約1週間、帝王切開だと2週間位が平均的
ですが、アメリカでは何と、普通分娩では1日〜3日、帝王切開でも3日〜5日で退院と
なってしまいます。
これを聞いて、お〜っ、アメリカ人はさすがにタフだ!と思ったものですが、実際には医療費が
高額なのが原因です。
地域や病院のレベル、加入している保険の種類にもよりますが、日本の数倍はかかるようです。
出産費用の大部分は保険でカバーされるのですが、民間の医療保険は、毎月の保険料が高い
ため、どの保険にも入っていない人も多くて、大きな社会問題となっています。
出産は 「ラマーズ法」 が人気で、夫も共に講習を受けて、立会うことが多いです。
帝王切開の場合にも、夫が手術室の中に入って、妻に付き添うことが可能です。
アメリカでは、妊娠中の栄養過多により、お腹の中で胎児が育ちすぎ、帝王切開 になる
ケースが、大変多くなっています。
医師も、出産の時のアクシデントで訴えられたりしては大変ですから、我が身を守るため、
より安全率の高い帝王切開を妊婦にすすめる傾向があるのだそうです。
私の夫の親戚、知り合いにも、帝王切開で子供を産んだ人がとても多いです。
1人目は横に切り、2人目は縦に切ったので、恐ろしいから3人目は作らないことにした・・・
なんて声も聞きました。
◆ 帝王切開について
英語では、Caesarean section (シザーリアン・セクション) と言います。
普通の会話では、略して C-section と言うことが多いです。
ローマ皇帝だったジュリアス・シーザーが この方法で生まれたからだ、という説ですが、
本当かどうかは疑わしいですね。その頃は、麻酔なんかなかったですし・・・
日本でも、これを訳して 「帝王切開」 と呼ぶようになったそうですが、元々の 「切る」
という意味のラテン語を、ドイツ語にした時に、発音、スペルが似ているので 「帝王」 と
間違えた、という説あり、いやいや日本人が誤訳してしまったのだ、という説ありで、
本当のところはナゾです。
名前の由来はどうあれ、昔は母親の命を犠牲にして、赤ちゃんを救う方法であったのが、
今は大抵の場合、母子共に健康でいられるのは、ありがたいことですね。
◆ 割礼について
生まれたのが男児の場合、 「割礼 (Circumcision)」 を行うかどうか聞かれます。
元々は宗教上の理由で行われた習慣ですが、陰茎の包皮を切除することで、性器を清潔に
保つという衛生上の意味合いの方が、アメリカでは強いようです。
ただし、手術には危険も伴いますし、新生児にこのようなことを行うなんて非人道的だ、
という声もあがり、現在は減少傾向にあります。